世界構想圏 ~森本純輝の社会思索ラボ~

「個の内包的全体性」から模索する社会理想像のアプローチ

3 地球はもう温暖化していない

まだ始めて間もないブログであるのに、早速というべきなのか読者が訪れてきてくれているという結果がある。大変有難く思う次第である。これからも私の活動を見守っていただけると幸いである。

呟きに関する(やや論考的な)記事を二つ公開したので、今回は思索における参考文献をもとにした私見を展開してみようと思う。

 

表題はタイトルにもある通り「地球温暖化」に関する話である。この名の通り温暖化を叫ぶ類のものではなく、世間一般に「懐疑的」と認識されている立場を貫く本の主張やデータに基づいた発言である。

実はその本はこのタイトルそのものであり、この文献における内容だけが「温暖化はしていない」という正当性を主張するような論旨を貫徹しているわけではなく、この他にも幾多の書籍やそれらを書いた見識者たちとも相まっている。故にこの本だけに傾倒した意見を述べるということはない。それらは、私が生まれた90年代頃からすでに指摘されてきた事柄である。

 

1 気候変動における世界の認識

現在、日本における温暖化を否定する学者の代表格は丸山茂徳で、温暖化とは真逆の地球寒冷化を訴えている方である。この方のみならず、気候変動における学問の世界的権威とされるスティーブン・E・クーニンという学者もまた、寒冷化という立場こそ取らないものの温暖化は急進的なものではない、と「気候変動の真実」という書籍の中で主張している。

本書の著者は深井有という理学博士であり、金属物理学を専攻としている。彼は丸山茂徳を知っており、彼と意見を同一にしている学者で、彼を抜きにしても、科学者の9割は地球温暖化CO₂犯人説が虚実であることを知っているとされ、実際そのタイトルの本もある。

 

先ほども言述した通り、これらの見解は世間一般から見て「懐疑派」としてのレッテルを貼られている立場であり、その中の主たる主張である二酸化炭素による温室効果ガスが原因ではないという見解は得てして弾圧にも近い排除をされている者たちである。

だが、そういった先入観を「まずは」止めて彼らの主張を聞いてみると、そこには懐疑派というには決して値しない、気温データにおける温度上昇の頭打ちや、それを改竄した疑い、そして温暖化を脱炭素化に向けたビジネスとしての既得権益の横行が散見されている、といった指摘がなされており、その中には明らかに虚実を繕った事件が起きたという事例もある。

 

それは「クライメートゲート事件」と呼ばれるものであり、これはデータ操作や批判封じなどが記載された電子メールの記録が流出した事件のことである。

以下に本書にある訳注を引用する。

 

クライメートゲート事件

IPCC報告書作りに重要な役割を果たしている英国イーストアングリア大学気候研究所から大量の電子メール記録が流出して、CO₂による温暖化を印象づけるためのデータ操作や批判封じなど科学者としてあるまじき行為の数々が明るみに出た事件。(2009年での出来事)

 

この流れを受けて、オーストラリアでは2013年に気候変動・エネルギー省が廃止され、2014年7月にはCO₂排出削減を目的として課されていた炭素税が廃止された。英国でも2014年に国内の気候変動関係の組織が大幅に整理され、関連予算が41%カットされた。2015年3月にはスイスで付加価値税に代えて炭素税を導入するという案が国民投票にかけられ、92対8という大差で否決された。

ひとまずはという形で温暖化における世界情勢の実情を伺ってみると、すでに気候変動人為要因説は破綻しているとされている。実際に、2007年2008年に行われたギャラップ調査と2013年に行われたピュー研究所の世論調査には、「気候変動は人為的要因によるものか」「気候変動を脅威と考えるか」という設問にイエスと答えた人の割合は最近5年間に先進国で大きく減っており、中でも米国の数字は24%まで下がっている結果も見受けられる。

だが、これだけでは温暖化は嘘であることへの実際の十分な証拠や根拠にはまだ至っていないと個人的に解釈するので、次に明確な根拠となりえるであろう最近の160年間の気温とCO₂濃度の変化について述べてみよう。

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上記のグラフは最近160年間の気温とCO₂濃度の変化を比較したものになる。CO₂が単調に増え続けているのに対して、気温は全体として右肩上がりにはなっているものの単調に増加しているわけではない。160年のうちで気温が上昇しているのは1900年~1940年と1970年~2000年の間だけであって、1900年以前と1940年~1970年は若干下がり気味、2000年以降はほぼ平らになっている。IPCCはこの全体としての気温上昇をCO₂増加によるものとみなし、気温が上昇していない期間に関してはエアロゾル(大気中を覆う微粒子)の影響などを考慮することで辻褄を合わせようとした。

 

 

 

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そして、上記のグラフは南極大陸のヴォストークコアから得られた35万年前からの気温とCO₂濃度の比較のものである。ほとんど同じ形で変動を繰り返しているが、よく見るとCO₂の方が立ちあがりが少し遅れて、しかも尾を引いていることがわかる。

 

(「30歳未経験からにITエンジニア」というサイトに記載してあった本書の図を参照したもの)

 

1979年~2014年の地球平均気温の変化